随想録

山登り

ある日、山に登った時のこと。
木々が生い茂る山道を登って辿りついた山頂。
そこから先に見える景色は、広大に広がる砂漠。
 
山頂に生い茂る緑。岩と砂が犇(ひし)めく砂漠。
果てしなく広がる蒼穹。燃え盛るような太陽。
砂漠の真ん中には、人工のオアシスの町が見える。
「すごい……」と、思わず声に出た。
一緒に登ってきた友人も、「すごい!」と言った。
そして、最後にもう一言付け加えた。
「なにもない……」
(確かに……)と、私は思った。
 同じ風景を、共に「すごい」と言った二人。
 私は「ある」を、友人は「ない」を。
全然違う表現で、同じことを指していた。
福田智彰

2013年3月


ひょっとしたらこの話と通ずる所があるかもしれません。
仏教エピソード第18話「学びの秘訣」

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