仏教エピソード㊴「壊れるという法は壊れない」

エピソード(雑阿含経巻第3-51「壊法経」)

ある時、お釈迦さんが祇園精舎にいた時のことです。

お釈迦さんは、弟子達にこのような話をしました。

「今回は、壊れる壊れないということをお話しようと思います。よく聞いて考えてみてください。

皆さん、あらゆるものは壊れます。

あなたの目の前にあるもの、あなたの目に映るすべて、人も物も、全て。いつまでも変らずにあるものなんてない。常にずっとあるものはない。これを無常と言います。

無常であるが故に、あらゆるものは変化する。つまり壊れる時がくるのです。

あらゆるものは壊れます。この気づきはとても大事な事と私は説いています。

しかし、この気づきは壊れません。あらゆるものは壊れるという事は、変わりない真実なのですから。

私たちが心と呼ぶもの、頭の中と言っているものもまた、無常です。あなたの感じることも、考えることも、あなたの内にあるものもまたすべて、無常です。

無常であるが故に、胸の内、頭の中、あらゆるものは変化する。つまり壊れる時がくるのです。

あらゆるものは壊れます。この気づきはとても大事な事と私は説いています。

しかし、この気づきは壊れません。あらゆるものは壊れるという事は、変わりない真実なのですから」

メッセージ

あらゆるものは変化する。これは変わりない真実。

そしてまた、変わりない真実は、変わるということを説く。

頭の中でよく考えると、この両者は矛盾する。

If it’s not paradoxical, it’s not true.

(もし、矛盾しないのなら、それは真実ではない)

~David Chadwick「Zen is right here」鈴木俊隆老師の言葉より~

2020年2月

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