仏教エピソードで用いた経典紹介

更新日 2017-08-09

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仏教エピソードで用いた経典紹介

阿含経とニカーヤ

阿含(あごん)というのはアーガマの音写で、
パーリ語やサンスクリット語で「伝承された教説」という意味です。

その名の通り、お釈迦さんの直説(じきせつ)とみなされる経典が
数多く含まれています。

お釈迦さんの言葉に最も近いとされ、
近年の仏教研究の進展により、日本でも注目されるようになりました。
その内容は明快で合理的なこともあって、大変読みやすいお経です。

また阿含経を説明する上でニカーヤの説明は欠かせません。
それまで口頭で伝えられていたお経が、
初めて文字に起こされ作られたのがニカーヤという経典です。

ニカーヤは、原始仏教経典とも呼ばれ、最古の仏典と言われています。
紀元前一世紀頃にパーリ語いう文字を用いて
スリランカで編集されました。

この経典が中国にも伝わり、
漢文に翻訳されたものが阿含経と呼ばれました。

つまりこの二つの経典は
上座部仏教と大乗仏教に共通する仏教経典ということになります。
しかし、ニカーヤから阿含経に一部翻訳されなかったものもあります。

内容が共通する部分は、その原型が
紀元前三世紀より前から既に成立していたと推定されています。

下記は阿含経とニカーヤの相対表になります。

ニカーヤ(南伝大蔵経) 阿含経(北伝大蔵経)
ディーガ・ニカーヤ(長部経典) 長阿含経
マッジマ・ニカーヤ(中部経典) 中阿含経
サンユッタニカーヤ(相応部経典) 雑阿含経
アングッタラ・ニカーヤ(増支部経典)
増一阿含経
クッダカ・ニカーヤ(小部経典)
ダンマパダ(法句経),スッタニパータ(経集),
ウダーナ(自説経),テーラガータ(長老偈),
テーリガータ(長老尼偈)、など 
小部経典に相応する部分が無い

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ウダーナヴァルガ

ウダーナは、日本語では「感興語」と訳されています。
それはお釈迦さんが何かに興味が湧き、
感じたことに対して自ずと言葉にしたものが集められていることから、
そのように言われています。

また似たような意味で、
問われていないのにお釈迦さんが自ら言葉にしたという事で
「無問自説」とも訳されます。

ヴァルガは「集まり」という意味です。

このお経はクッダカニカーヤ(小部経典)に分類されます。

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法句経

パーリ語で書かれた原典は「ダンマパダ」と言います。

ダンマは「法」、パダは「言葉」という意味なので、
現代語訳では真理の言葉と訳されています。

423の詩で構成され、
その名の通り仏教の教えを示す重要な言葉が多く見られます。

古来からもっとも広く仏教徒に親しまれてきたお経で、
様々な言語に翻訳されています。

パーリ語の原典をはじめ、サンスクリット語、ガンダーラ語、中国語、
チベット語、古代トルコ語等で訳され、
近代では西洋諸国でも翻訳されています。

このお経はクッダカニカーヤ(小部経典)に分類されます。

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正法眼蔵随聞記

中国(当時宋国)に渡り、如浄禅師より教えを受け継ぎ、
日本に伝えた道元禅師。

後に彼の後を継いだ懐弉禅師が、
師である道元禅師が折りにふれて説き記した教えを
書き留めていました。

それがこの正法眼蔵随聞記です。

日常生活の中で、仏道修行の心得が、平易に書かれています。

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スッタニパータ

原始仏教経典の中でも最古のお経と言われています。

スッタ(sutta)は「たていと」、つまり「経」の事を意味し、
ニパータ(nipata)は「集成」を意味します。

「経の集成」という名の通り、
お釈迦さんと弟子達の会話が綴られた70余りの
小さな経が集めたものです。

この中には、
より古くお釈迦さんの直接の言葉に遡ることができる
考えられているお経も含まれています。

そのため、最古の仏教思想や最初期の仏教教団の状況を伝える
貴重な経典と言われています。

このお経はクッダカニカーヤ(小部経典)に分類されます。

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涅槃経

涅槃経とは、お釈迦さんの入滅について書かれている経典、
もしくは、その意義を問う経典類の総称をいいます。

入滅とは、簡単に言い換えれば、死ぬということですが、
目覚めた人(仏)が亡くなった時には、死去という言葉ではなく、
入滅という言葉が使われています。

ここでいう滅は、サンスクリット語で
ニルヴァーナ(nirvana)と言います。
そしてニルヴァーナは涅槃とも訳されています。
つまり元々、ニルヴァーナ、滅、涅槃は同じ言葉で、
その意味は煩悩の炎が吹き消されたことを意味します。

故にお釈迦さんの入滅(死去)について書かれている経典は、
涅槃経と呼ばれているのです。

ちなみに滅という文字は、漢字の仏教文献には数多く出てきますが、
意味が異なる場合があります。
例えば、お釈迦さんの最初の説法と言われている四諦の教え、
そこで説かれている「滅」の語源はニローダ(nirodha)で、
せき止めるや堤防いう意味で用いられています。



さて、涅槃経についてですが、
初期の経典では、お釈迦さんの最期の旅から始まって、
入滅に至る経過やその後の荼毘や仏塔に関することが書かれています。
パーリ語訳では、大パリニッバーナ経と呼ばれ、
漢訳でその部分に相当する部分は遊行経と呼ばれています。

また大乗仏教では、
大般涅槃経(だいはつねはんきょう)と呼ばれる経典があります。
これは同じ場面を舞台としていますが、
仏が入滅したのは方便であることが説かれ、
上記のものとは内容が異なります。

他にも鳩摩羅什訳の遺教経(ゆいきょうぎょう)があります。
詳しくは仏垂般涅槃略説教戒経 ( ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう )といいます。
これはお釈迦さんが入滅に臨んで垂れた最後の説法を
その内容としています。

つまり一言で涅槃経と言っても、
このように内容の異なる経典があるのです。

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